モノの哀れ

かたちあるものは、いずれ壊れる。大切にしていたうつわを不注意で割ってしまうと、そんな言葉を思い出して、何とか諦めようとする。
平家物語は読んだことがないし、祇園精舎の鐘の音がどんなものかも知らないけれど、遠くのほうから「ゴーン」と、
物悲しい響きが聞こえてくるような気がします。まさに、諸行無常。
でも、どれだけ自然のことわりなのだから仕方がないのだと、自分に言い聞かせても捨てられない。
・・・・
とは言え、そもそも諸行無常というのは、すべてのものは絶えず変化している、永遠不変のものはないという意味ではなかったか。
そう、壊れたうつわは直せます。ただし、壊れる前と同じ姿ではありません。
大切なうつわが壊れた時、それはすなわち、うつわが新しい姿に変化する時だと言えるでしょう。だから、金継ぎはおもしろい。
失われたものが、ふたたび美しく生まれ変わる瞬間に立ち会えるのですから。

室町時代から伝わる日本の伝統

金継ぎの起源については諸説あるものの、室町時代に成立した茶の湯とともに発展を続けてきたというものが一般的です。
伝統文化と言うと敷居が高く感じられるかもしれませんが、金継ぎは誰もが気軽に楽しむことができ、なおかつ現代のライフスタイルにも馴染むもの。
日本の文化を根底から支えてきた漆を使い、うつわを修復する伝統的な技術に、私たちはこだわっています。

金継ぎ教室

月謝制ではないため、好きな時に予約して通える金継ぎ教室です。毎月、決められた回数を通う必要はありません。少人数制(最大4名)ですし、夫婦ふたりでご指導させていただきますので、余計な気を使うことなく、アットホームな雰囲気の中で金継ぎを学べます。

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お直しの価格

合成樹脂や接着剤などを一切使わず、古来より伝わる漆を中心とした自然素材のみを使った伝統的な技法で、大切なうつわを修復いたします。漆は安全性・耐久性に優れた素材です。そのため、金継ぎしたあとも末長く食器としてお使いいただくことができます。

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工房について

「工房」と言うと、なんとなく雑然とした作業場をイメージされるかもしれませんが、金継ぎ教室も開催しているため、居心地の良い空間づくりを心がけています。なお、当工房は完全予約制です。お越しになる際は、まず事前にお問い合わせくださいませ。

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生まれ変わったうつわたち

うつわに刻み込まれてしまったひとつひとつの傷と向き合いながら、手間と時間をかけて丁寧にお直ししたうつわの数々をご紹介します。
古いもの、新しいもの。大きく割れてしまったもの、ちょっとだけしか欠けていないもの。
けっして高価ではない量産品であったとしても、ものを大切にする気持ちがあれば、そこには他のどこにもない唯一無二の景色が生まれます。

  1. Works 01

    使えなくなってしまったうつわが、新しい姿で座辺に戻ってくる喜び。 <割れのお直し>

  2. Works 02

    捨てられないのは、そのうつわが好きな証。だからこそ直してほしい。 <欠けのお直し>

  3. Works 03

    余計なものを徹底してそぎ落とした先に、本来あるべき美しさが現れる。 <伝統の美>

  4. Works 04

    もし見つけたら要注意。目立たないからと、侮ってはいけません。 <ひびのお直し>

  5. Works 05

    うつわの隅っこでさりげなく輝いている金が、持ち主の人柄を表す? <ちょい欠け>

  6. Works 06

    日本のうつわだけじゃない。もはやKINTSUGIは世界共通言語です。 <洋食器のお直し>

  7. Works 07

    透明なうつわに金が浮かび上がる、ガラス金継ぎならではの美しさ。 <ガラスのお直し>

  8. Works 08

    漆そのものに美を見出せば、お直しの選択肢は大きく広がります。 <漆仕上げ>

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