仕上げに使われる金の美しさばかりに目を奪われがちですが、そもそも金継ぎというのは漆を使ってうつわを直す伝統技術。そのため、最後に金や銀を蒔くだけではなく、さまざまな仕上げ方があります。
漆黒という言葉があるくらい深くて美しい黒漆や、弁柄、白などの色漆で仕上げることもできますし、溜塗や根来塗などを施すこともできます。ただ、やはりそれぞれの色には個性がありますので、直すうつわとの相性は考えたほうが良いかもしれません。
とは言え、壊れてしまったうつわを「どんなふうに直そうか」と考えることは、きっと楽しいもの。悩んだぶんだけ、以前に増してうつわへの愛着が深まるはずです。