金継ぎを依頼すると、やっぱり高い?うつわへの接し方によって、どう感じるかは人それぞれ。

金で繕った佇まいの醤油差し

金継ぎを職人さんに依頼すると、いったいどれくらいの金額になるんだろう?
そんな疑問をお持ちの方は多いかもしれません。

ただ、それを高いと感じられるか、妥当なお値段だと感じていただけるかは、人それぞれ。
どれだけ壊れているかにもよりますが、よほど価値のあるものでもない限り、
うつわを購入された金額よりもお高くなってしまうことのほうが多いのではないでしょうか。

それは、金継ぎを美しく仕上げるためには大変な手間と時間がかかるから。
最短でも、ひとつ仕上げるのに1ヶ月半ほどはかかります。

また、作家さんが焼きものをつくるように、ある程度の数をまとめて製作できるものでもありません。
それぞれに破損状態が異なるため、金継ぎは完全にオーダーメイド。
最近は金の相場が上がっていますし、漆も私たちが使用している国産漆は中国産よりもずっと高価です。

良心的な価格でお受けさせていただいているつもりではありますが、
それでも金継ぎがある程度のお値段になってしまうのには、そんな理由があります。

とは言え、とてもありがたいことに金継ぎをご依頼くださるお客様はたくさんいらっしゃいます。

それは、きっとうつわに愛着を持って接してこられたから。
たとえば、5千円で購入したうつわがあったとして、
そこにはあくまでも5千円の価値しかないと考えるなら、金継ぎはどう考えても高いでしょう。

でも、気に入って買い求め、普段の生活の中でうつわとの語らいを楽しまれている方であれば、
仮にそれが5千円であったとしても、
それ以上のお金をかけて金継ぎすることに抵抗を感じられることは少ないのではないでしょうか。

道具をただの道具として扱うのではなく、そこに自分なりの美意識やこだわりを持って使っていれば、
その道具は間違いなく、私たちの生活をこころゆたかなものにしてくれているはずです。

道具にも魂が宿るという考え方は、世界中でも日本人だけが持っていた感性だと言われていますが、
まさにそれが金継ぎという文化を育んできました。
そして、この金継ぎの技術と精神性は世界中の人々の共感を集め、近年は大きな広がりを見せています。

円やドル、ユーロなどの通貨では、決してはかることができないものの価値。
それを見極められるようになれば、自然と金継ぎそのものの価値も見えてくるのではないでしょうか。

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